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環世界

日高敏隆著『動物と人間の世界認識』(ちくま学芸文庫)という重要な本を読んだ。環世界というユクスキュルによる概念がある。動物は知覚によってこの世界を見ている。自分にとって意味のあるもの、すなわち、自分の生存に関することなどに関係することが知覚されている。当然、各動物によって知覚できるモノが(物理的に)違うし、また、それぞれ意味のある重要な事柄が違うので、世界は各々違って見えているはずである。言い方を変えると、動物はイリュージョンの中に生きているということになる。これに加え、ヒトは論理によって知覚できないものまで探り当てる能力を持っている。科学の発展の多くや宗教などはこうした人間の能力に負っているのだろう。もしかしたら、哲学とかの人文科学と生物学などの自然科学、はたまた、心理学、経済学などの社会科学をつなぐ鍵はここら辺にあるのかも知れない。

by sauce-teru | 2007-12-03 15:41 | 日々雑感

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